礼文島ユースホステル「桃岩荘」で体験したことを彼らのテンションそのまま書き起こす。




 

礼文島のユースホステル桃岩荘を知っていますか?

 

桃岩荘は日本三大バカユースホステルのひとつとしても名高く、非常〜〜〜に個性的でクセが強いユースホステルです。

 

今回、その桃岩荘に行ってきました。

一泊だけだったけど、噂通り、すごかったです。

 

ここで見て、感じたすべてを書き記しておこうと思います。

 

でもただ紹介するのもあれなので

 

桃岩荘のテンションで、極力言われたまんまを思い出して書いてみようかと思います。

 

お出迎え

「ブルーサンダー号」

 

フェリーで礼文島に到着。

お出迎えの車を発見して、ヘルパー(桃岩荘で働いてる人たち)に名前を伝える。ここまでは普通。

 

ヘルパーが全員が揃ったのを確認。

先に荷物などを車に積み込み、

 

桃岩荘が始まる。

 

 

「…ッはいそれでは!!!!🙏

改めまして!!!みなさん!!!礼文島に!!!ようこそ!!!お越しくださいました〜〜〜〜〜!!!!!!(大声)(全力)(拍手)👏👏👏」

 

ぼく&他の客「……(苦笑)(拍手)」

 

「それではこれから!!!早速!!桃岩荘に向かうわけですが!!!わたくし!!!みなさんを桃岩荘まで案内します!!!〇〇と申しま”す、よ”ろしくお願いします〜〜〜〜〜!!!!!」

すでにちょっと声枯れてきてる

 

「さて!!!みなさんを乗せてくれるこの車!!!最ッッ高にイカしてるでしょう!!この車!!!ブルーサンダー号っていうんですけどね!!なんと!!!!最新設備が整ってまして!!!なんと!!!!お踏み台(ごく普通の木箱)がついております〜〜〜〜〜!!!!!」

ぼく&他の客「(苦笑)」

「あ!!!そこのおにいさん!!!今!!!『しょぼい』って!!!思いましたね!!?確かに!!しょぼいかもしれません!!だからこれだけじゃ危ないので!!!ぼくらが!!!みなさんの手すりになります!!!!!(ムキムキのヘルパーさん二人、腕をまくり筋肉を見せつける)」

ぼく&他の客「(苦笑)(やや引き)」

「さ!!!初めてのおにいさん!!!どうぞどうぞ!!!(ムキっ)」

順番に踏み台(木箱)と手すり(筋肉)を使い乗り込む。(超ムキムキだった)

 

「ではこれから桃岩荘に向かうん、でーすーが!!このブルーサンダー号!!なんと最新の音声認識機能がついてましてですね!!!ある!!言葉を言わないと発車できないんですよ!!おにいさん何だと思います???」

事前知識があったぼく「えっと…はっしゃ、おーらい…?」

「せ〜〜いか〜〜〜い!!!!!👏👏そーなんです!!みなさんが大きな声で『発車オーライ』と言ってくれないと、いつまで経ってもこの車は発車しませんので!みんなで大きな声で!!言っていただくよう!!よろしくお願いします〜〜〜」

「それではいきますよ!!せ〜〜〜〜〜のっ!!!」

客『はっしゃ、おーらーーーい』

 

(エンジン止まる)

「あ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!エンジンが止まってしまいました〜〜〜!!!みなさ〜ん、ぜんっっぜんだめですよ〜〜もっと大きな声で言わないとこの車夜まで発車しませんから!!!次はもっとお〜〜きな声で!!お願いしますよ!!いきますよ!!せ〜〜〜〜のっ!!!」

客『発車!オーラーーーーーイ!!!!』

(車動く)

「う〜ごきました〜〜〜〜!!!👏👏」

 

やっと車が出発して桃岩荘に向かうことができました。

 

ここまで約15分。

基本的にね、ずっとこんな感じなんです。やばいよね。

 

ずっとこのテンションで書き続けるの疲れたんで、もう普通に戻していいですかね。

もう十分雰囲気伝わったでしょ?笑

 

「知性」「教養」「羞恥心」を捨てる

これが「桃岩」。桃みたいな形の巨大な一枚岩。

 

桃岩荘に向かう途中にあるトンネルを通過する際、ある儀式が行われます。

「知性」「教養」「羞恥心」の3つをこのトンネルで捨てていけと言うのです。

 

確かにこれらのものを持ったままでは桃岩荘は楽しめません。

見ていただいたように、終始あのテンションなのです。

正直、一線を引いて受け流すほうが疲れます。(笑)

 

アホになれとは言いませんが、恥は捨てていったほうがいいと思います。

ここでは誰もあなたを笑いません。

楽しんだもんがちな場所です。

 

「おかえりなさい」

みんなで「おかえりなさ〜〜〜〜い!!!」

 

宿に着き、戸が開くと

「おかえりなさ〜〜〜〜〜い!!!(どんどんぱふぱふ)」

という大歓声が出迎えてくれます。

 

桃岩荘はあいさつを非常に大事にしています。

「おかえり」「ただいま」

「いってきます」「いってらっしゃい」

この言葉がなにより大事。

 

初めて桃岩荘に訪れた人も例外ではありません。

「おかえりなさい」と出迎えられて、

「ただいま」と返す。

それが桃岩荘なのです。

 

ちなみにこのお出迎えはヘルパーも宿泊客も関係なく、みんなでやります。

初めて泊まった人も、その後に訪れた人が来たら「おかえりなさ〜〜い!」と歓迎する側に回ります。

 

不思議だけど、暖かい所なんですよね。

 

桃岩時間

右に見えるのが「猫岩」。猫みたいなお耳つき。

 

桃岩荘には桃岩時間という謎の時差が存在します。

通常の時計より桃岩荘の時計は30分早く進んでるのです。(なぜなのかは不明)

 

桃岩荘にいる間は食事やお風呂、起床など、この桃岩時間で行動しなければなりません。

 

歌って踊る「ミーティング」

これはミーティングではなく、夕日に向かって 歌ってるところ

 

桃岩荘の一番の名物はなんと言っても「ミーティング」。

 

広間にヘルパーと宿泊者の全員が集まり、島の説明をするだけでなく、みんなで歌ってみんなで踊る

この空間はカオスでしたね。

こんな宿、絶対他にないでしょう。

 

知ってる曲もあるけど、オリジナル曲やオリジナルダンスを見よう見まねで覚えなきゃいけなくて、頭パンクしそうでした。(笑)

しかも結構長い時間やるんですよ。2時間くらい。

 

あとびっくりしたのが、桃岩荘ってアルコールが禁止なんですよ。

つまりみんなシラフであのテンションで騒ぐんです。

普段酒なしであまり騒がないので、終わった頃にはなんかもうへとへとでした。(笑)

でもとっても楽しいですよ。

 

桃ネーム

宿のすぐ側にある喫茶店「ベン&ジョン(通称ベンジョ)」

 

桃岩荘のヘルパーさんと話をして仲良くなると、「桃ネーム」というニックネームをつけてもらえることがあります。

ヘルパーさんの呼び名もその桃ネーム。

個性的なネームが多くて由来を聞いたりすると面白いです。

 

ぼくは1泊だけだったんですが、なんと、桃ネームをつけてもらいました。

 

宿の近くにコーヒーや軽食がある小さな喫茶店「ベン&ジョン(通称ベンジョ」というところがあるんですが、到着して暇だったのでそこを覗いてみると、ギターと一緒にみんなで歌っていたんですよね。

歌が大好きなぼくは近くで見学。

するとスキマスイッチの「奏」をやってみたい、という流れになったんですが、みんなあんまり曲を知らない。

この曲が大好きだったぼくは思わず歌に参加。なんならリードして歌い切ることに。

 

それでめちゃくちゃ喜んでいただいて、

「じゃあ君は『奏(かなで)くん』だ!!」

ということで、ぼくの桃ネームは「奏」になりました。

 

その後もいろんな曲を一緒に歌わせていただいて、

「ああ、音楽って最高だなあ」

なんて思いました。

30分くらいの短い時間だったんですが、すごく幸せな時間だったな。

 

愛とロマンの8時間コース

出会った仲間と一緒にトレッキング。海の青が素晴らしい。

 

桃岩荘では「愛とロマンの8時間コース」という名の礼文縦断トレッキングに参加することができます。

 

ぼくは残念ながら時間に余裕がなかったのでもう一つの「4時間コース」に参加したんですが、島の自然を満喫できて最高でした。

結構キツい山道もあって大変ですが、海を見るたびにその青さに心が洗われます。

時期によっては島でしか見られない高山植物も見られます。

澄海岬からの景色は絶景です。礼文に来たからには見ておくべし。

 

ちなみにこの名前の由来は、このコースを男女が歩き切ると必ずと言っていいほど「愛」が生まれるからだとか。

 

お見送り

 

宿を出るときも、フェリーで島を出るときにも、桃岩荘の人たちは盛大にお見送りをしてくれます。

ミーティングで一緒に歌った歌を歌って、踊って、「いってらっしゃい」と、見送ってくれます。

 

ここの人たちってただ単にバカ騒ぎをしているだけじゃないんですよね。

人生に行き詰まってる人や元気がない人もすべてを忘れて「誰かと一緒に楽しいことを楽しむ

 

その体験はここに来た人になんらかの力を与えてくれると思うし、なによりヘルパーさんの熱さには何か心打たれるものがある。

必死に生きている、人間らしい人を見ることができる。

 

だから「また来たいな」と思いました。

「いってらっしゃい」「また来るぞ」と返しました。

 

まとめ

ありがとう桃岩荘。

 

それがぼくが体験した桃岩荘です。

 

何かを変えたいなと思っているあなた。

桃岩荘はその一つのきっかけになってくれるかもしれません。

 

ぜひ一度、訪れてみてください。

 

 

桃岩荘ユースホステル[日本ユースホステル協会公式]

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