【Hanke開業日記②】のつづき。
まだ雪の積もっている3~4月頭で事業計画を練り、現地調査、店名決定などじわじわと動き出して、そして来たる春。
いよいよ本格的に公庫との融資面談や物件契約、着工へとスピード感を増してゆきます。
今回はそんな4~5月のお話。
目次
公庫に借入申込書を提出
まずは公庫(日本政策金融公庫)から融資を受けるために、開業融資相談へ。
ここまで考えて来た事業計画や図面などから必要な費用を計算し、借入申込書を提出しました。
自己資金がどれだけあり、設備資金・運転資金がそれぞれどれぐらい必要なのかを伝えます。
この時期はコロナが最も大変な時期でもあったので、融資窓口も非常に混み合っていたようで、融資面談が通常より遅くなると伝えられました。
結果的に面談ができたのは、借入申込書を提出してから2〜3週間後。面談の話はまたあとで詳しくお話ししましょう。
保健所で図面チェック&営業許可申請書提出
他にもやることはたくさんです。
飲食店の営業許可をもらうために、保健所で図面(設計図)のチェックをしてもらい、営業許可申請書を提出しました。
図面をチェックしてもらう目的は、工事に着工する前に、その図面が保健所の基準を満たしているかを確かめるためです。
工事が終わったあとに保健所に見てもらって、「シンクをもう一槽つける必要がありますね」なんて言われたら、工事をやり直さないといけないですからね。
地域によって保健所の基準は違うので、管轄の保健所で必ずチェックしてもらいましょう。
ざっくりチェック項目の例を挙げてみると、「手洗い場と食材用シンクは別であるか」「換気や照明は十分か」「厨房と客席は明確に仕切られているか」といった感じです。
チェックでOKがでたら、営業許可申請書を提出。
工事のスケジュールを伝え、工事が終わった後に保健所検査が入り、ようやくめでたく営業許可証発行、という流れです。
クラウドファンディング準備
今回ぼくは融資以外に、クラウドファンディングでの支援を募ることにしました。
ぼくの場合「ASOSAND」として、間借り営業での1年間の実績や知名度も少なからずあったので、これを活用しない手はないと思い挑戦。
クラウドファンディングをやろうと決めたのはもちろん支援金を募ることもありましたが、何より応援してくれる人たちと一体になってお店づくりを体感していけると思ったからです。
それに支援者からの応援や拡散は大きな広告にもなってくれますしね。(ビラも配っていないので開業にあたっての宣伝広告費はゼロ円です)
そんなわけでそのための文章づくりや支援額&リターンの設定等も、1ヶ月ほどかけてじっくり進めていました。
こちらに関しては常日頃からお世話になっている&クラファンのプロフェッショナルである柴田涼平(@rio3900)さんにご指導とサポートをお願いし、最初から最後まで助けていただきました。(ほんとうにありがとうございました…!!)
物件&駐車場契約
4月の末に正式に物件と駐車場の契約。
ちなみにうちの場合、賃貸物件から探した(仲介業者がいた)わけではなく、オーナーさんとの直接契約の形です。これも比較的特殊な部類なのかな。
オーナーさんのご好意で、ほんとうに(ほんとうに)大サービスの家賃で借りさせていただきました。
半年経った今でも応援してくれている優しい方です。
固定費の低さはお店を続ける上でとっっっても重要なので、この条件を提示された2月に迷わず飛びついた自分、よく判断した…!って今でも思います。あの鱗滝さんも「判断が早い」と言ってました。
そのおかげでコロナ禍の今でもなんとかやれています。
ロゴデザイン納品
さてさて、お次はデザインのお話。
4月の末くらいにお店のロゴデザインが完成しました。
ロゴについての話をする前に、デザインをお願いする前段階の作業があったので少しお話ししたいと思います。
ロゴ等のデザインをデザイナーさんにお願いするにあたって、デザイナーさんから「これを記入してきてほしい」と渡されたものが2つありました。
それが
「Lean Canvas(リーンキャンバス)」
「Brand Identity Prism(ブランドアイデンティティプリズム)」
です。
これ、すごく大事でした。
Lean Canvas
リーンキャンバスというのは上図のようなもので、簡潔に言うと「ビジネスモデルを一枚にまとめたもの」です。
Brand Identity Prism
ブランドアイデンティティプリズムは上図のようなもの。
こちらは「ブランドらしさの定義づけ」ですね。
つまり、この2つをしっかり考えて記入していくことで、ブランディング・ポジショニング・ターゲティングなどが明確になり、そしてそれをデザイナーさんが詳細に受け取ることができるため、より全体のデザインに深みが出せるということなんです。
お店をはじめる上で、他店との差別化を図ることや、自店の強みを把握して認識してもらうことはとても重要です。
どんな価値を、どんな人に、どのように届けることができるのか。
Hankeの例を挙げると、たとえば
「手軽なイメージからの脱却」
「贅沢感と美しい見た目」
「見て美味しい、食べて美味しい」
「出来立て推し」
「安さより質(本物志向)の30代女性(グルメインスタグラマー)
そんなキーワードから、お店というブランドの方向性をまとめていきました。
このようなことを開業前にどれだけ細かく考えられるかが、オープン後に愛され続けるお店になれるかどうかを大きく左右する、かもしれません。
ロゴについて
ということでロゴが納品されました。
こんな機会なので、実は話したことのないロゴについての説明を少し。
以下デザイナーさんからのコメント
そういったシンプルなロゴでありつつも、見た人の記憶に残るような文字と配置にした。
H の離れている部分は豊平川にかかる橋と三角州の様子を表現。
どの文字も少し角を取ることでパンの丸みや柔らかさを出した。」
普通のフォントのようで、よく見ると全体的に丸みを帯びていたり、細かなこだわりを込めてくださっているんですよね〜。デザインってすごい。
着工
そしてついに着工。
古い物件だったので、工事の人もその場で行き当たりばったりの作業だったそうです。
うちのお店に来たことがある人は、これがあれになるなんて!って思いますよね(笑)
てなわけで今回はここまで。
次回は、クラウドファンディング、厨房機器・什器選定、メニュー考案、仕入れ先選定、竣工などなどのお話をしていきます。
つづく。
コメントを残す